5 Dec, 2023 0
12 Jul, 2022 0
<p>数々の宗教が生まれ、ひそみ、流布した無二の地域であるアナトリアとメソポタミアには、古代も現代も、多神教から一神教まであらゆる宗教の歴史の跡があります。世界初の神殿ギョベクリテペ、聖地とされたネムルート山に築かれた神殿、キリスト教が公認された最古の社会スルヤーニ人の比類のない修道院、聖書が書き直された場所とされるルムカレなど、原初から今までの人類の精神的探究をこの地で味わうことができます。</p>
<p>人類が初めて神殿を造り、定住生活に移行し、農業を行った地はここ、つまり「すべてが始まった地」です。彩り豊かな文化が数多く興った、神殿、教会、モスクの町、それがシャンルウルファです。市場をめぐると中世の香りが立ち上り、何千年も昔の伝説が息づくシャンルウルファ。預言者アダムが農業を営み、イブラヒム(アブラハム)、ヨブ、シュアイプ、ヤコブ、エリシャといった預言者が生きた町です。シャンルウルファはユーフラテス川が潤す広大な土地で、ピスタチオの木、麦の穂、活発な商業、市場、カラフルな女性たち、血統書付きのハト、美しい蹄のアラブ馬、優しい目をしたガゼル、エチオピアへの道を知るホオアカトキ、聖なる魚とともに息づく、今も活気あふれる町です。</p>...
<p>ノアの船があると信じられているジュディ山のふもとに築かれた町シュルナクの全域に、高い山々、川が流れる深い谷、高原があります。人々の主な生計手段は牧畜で、遊牧文化が浸透しています。遊牧民は羊を連れて夏は牧草地と水が豊かな山の頂に、冬は低地の平原に移動します。しかし、最近では遊牧民はこの伝統的な暮らしを捨て、定住生活をするようになりました。また、毎年8月にベイトゥスシェバブ高原で「クズ・クルクマ」と「高原の祭り」という祝祭が催されており、この遊牧文化は今も忘れられることなく、部分的とはいえ伝統が次世代に伝れられています。祝祭の衣装、踊り、民謡、子羊、豊かで太っ腹な食卓は、この地域の文化とホスピタリティを表す彩り豊かなシンボルです。</p>...
<p>12の文明に属する6つの碑文が見つかった、盾状の城壁、石の橋、歴史の跡を持つディヤルバクルは、「歴史が石に刻まれた」地です。今から1万2000年前にさかのぼる近東最古の集落の一つ、キョルティク丘をはじめ、数知れぬ人々がこの雄大な地を通り過ぎていきました。ローマ帝国、アクコユンル朝(白羊朝)、マルワーン朝、アルトゥク朝、ウマイヤ朝、アッバース朝、オスマン朝、ほかにも無数の文明がこのディヤルバクルの地に栄えました。ディヤルバクルは昔も今も「文化の東都」であり、肥沃な土地の秘密の宝に通じる扉であり、手工芸の匠の技が息づいています。記念碑のような宿、美しい橋の数々、歴史豊かな建物を抱えるディヤルバクルは、時を超えて、訪れる人に語りかけてきます。</p>...
<p>出窓の家がくっついて立ち並ぶ迷宮のような路地に迷い込むのがたまらない、おとぎ話のような町、それがキリスです。5500年もの間、数々の戦争の舞台となりながらも、交易路上にあったために大いに栄え、どの時代も躍動的で、様々な宗教や文化が共存しました。とても優れた手工芸、特有のふとん、イェメニ(革の靴)、石細工は、今もキリスに息づいています。そしてもちろん、かの有名な料理も・・。アレッポ料理の系統を引くキリス料理は、どれも美味しいです。トルコで標高が最も高い(900~1000メートル)地で育つオリーブでできるオリーブオイルをぜひ味わって下さい。</p>...
<p>トルコに限らずヨーロッパとしても半乾燥気候地帯の植物がある唯一の地域メソポタミアは、鳥やチョウの観察をはじめ、多くの自然ツーリストにとっても理想的な地で、そこに生息する鳥や植物の種類はヨーロッパとトルコのほかの地域とは全くちがい、草原の種類は世界でも特に豊かです。メソポタミアを潤すユーフラテス川は、広大な鳥の生息地です。自然観察がお好きなら、草原をかけるガゼルやホオアカトキなど、何百という種類の動物に会うことができます。自然や動植物と溶け合う忘れられない休暇を過ごしにメソポタミアを訪れましょう。</p>
<p>何千年も昔の物語を今知ることができるのはなぜでしょうか?旅行記や伝説からもわかりますが、考古学的な発掘がその最大の役割を果たしています。この地域の発掘は、博物館や国内外の学者の主導で行われています。省庁の許可を得てする発掘もあれば、出土品を守るための発掘もあります。夏にこの地域に来ると、多くの遺跡で発掘が行われているのをじかに見ることができます。考古学者たちが土の層をそれは丁寧に運び、出土品を発見し、記録するさまを目の当たりにすれば、皆さんもこの物語の一部になることができます。</p>
<p>遠くから眺めると、肥沃なメソポタミア平原の石のネックレスのような町です。その叡知は様々な民族や宗教を抱擁し、共存させ、その狭い路地は歴史があふれ、訪れる人は時が止まったかのように感じます。ワシの巣を思わせる、イーワーン状の石の家は、険しい岩場にそびえ立つマルディン城の斜面に築かれ、段々状に高くなっており、おとぎ話の世界のようです。どの時代にも実に多様な文明が栄え、それぞれの文明の遺産を守り続けるマルディンを訪れると、「生きた歴史」を肌で感じます。</p>...